4 11月 2025 - 16:06
イラン最高指導者:「米国大使館占拠で同国政府の正体が露見」【写真あり】

イランイスラム革命最高指導者のアリー・ハーメネイー師が同国全土の学生ら数千人を前に「在テヘラン米国大使館占拠により、米国政府の正体が明らかになった」と語りました。

イランイスラム革命に対する陰謀と計画の拠点である在テヘラン米国大使館の占拠(1974年11月4日)記念日を前に、シオニスト政権イスラエルがイランに押し付けた12日間戦争で殉教した数千人の小中高生や学生とその遺族らが、ハーメネイー師と面会しました。

ハーメネイー師の著作保存出版局のウェブサイトによりますと、ハーメネイー師はこの日を「栄誉と勝利」​​の日かつ、「覇権主義的なアメリカ政府の正体が明らかになった」日であるとしています。

ハーメネイー師はこの日を国民的な記憶として刻む必要性を強調するとともに、イランに対するアメリカの敵対の歴史を説明し「イスラム共和国たるイランとアメリカ合衆国の相違は、アメリカとイランの二つの潮流の間における固有の相違および、互いに相容れない利益であり、アメリカが呪われたイスラエルへの支援を完全に打ち切り、地域から軍事基地を撤収し、地域問題に干渉しなくなった場合にのみ、アメリカの対イラン協力要請は、近い将来ではなくその後の将来向けに検討されるだろう」と強調しました。

イラン最高指導者:「米国大使館占拠で同国政府の正体が露見」【写真あり】
イラン全土の小中高生・学生ら数千人と面会するハーメネイー師

ハーメネイー師はまた、イスラムの聖典コーランにおける「覇権主義者(専制君主)」という言葉の語源に触れ、それを自己至上主義と解釈し、「時として個人や政府は、自らをより優位と見なしつつも、他者の利益を侵害しないこともある。この場合、敵意は生じない。しかし、過去のある時期の英国政府や現在の米国のように、他の諸国民の重大な利益の侵害により、彼らの運命を決定する権利を自分のものにし、強力な政府や賢明な国民を持たない国に軍事基地を設置したり、あるいは他の諸国民の石油や資源を略奪したりすることもある。これこそ、我々が敵意を抱き、反対スローガンを唱えている相手たる覇権主義者である」と語りました。

ハーメネイー師はさらにイラン国民に対するアメリカの敵対の歴史について、「イランは憲法制定後の約40年間、混沌と混乱に巻き込まれ、外国政府の侵略に直面し、前パフらヴィー王政の創始者レザー・ハーンの過酷な圧政と冷酷な独裁政権に直面するなど辛酸をなめたが、1950年頃に神の恩寵により、モサッデグ政権がイランの政権を掌握してイギリスに立ち向かい、ほぼ無償で彼らに握られていたイランの石油の国有化に成功した」と述べています。

そして、モサッデグ政権の転覆を狙ったイギリスとその同盟国の陰謀に触れ、英国の邪悪を取り除くためにアメリカに助けを求めた当時の政権の無知・怠慢ぶりを振り返り、「アメリカは当時のモサッデク首相に笑顔を向けていたが、彼の背後で英国と共謀してクーデターを起こしイラン国民政府を転覆させて、国外逃亡中のシャー(パフラヴィー国王)をイランに復帰させた」としました。

イラン最高指導者:「米国大使館占拠で同国政府の正体が露見」【写真あり】
数千人を前に演説するハーメネイー師

加えて、ハーメネイー師は「国民政府の転覆はイラン国民にとって大きな打撃である」とし、「我が国は1953年8月19日のクーデターで、アメリカとその覇権主義的な体質と危険性を認識した。このクーデターとシャーの復帰後、モハンマド・レザー・パフらヴィー国王が率いた過酷で暴力的な独裁政権は、アメリカの支援と援助を受けて25年間続いた」と付け加えました。

イラン最高指導者:「米国大使館占拠で同国政府の正体が露見」【写真あり】
ハーメネイー師との面会に臨んだイランの小中高生及び学生ら

そしてイラン最高指導者は「アメリカとイスラム革命の初対決は米国上院による敵対的な議決だった」とし、最後の国王モハンマド・レザー・パフラヴィーを米国に逃れさせたことで噴出した国民の怒りに触れ、「イラン国民は、アメリカがモハンマド・レザー旧国王をイランに定住させることで1953年のクーデターを繰り返し、旧国王のイラン帰還の下地を作ろうとしていると感じた。そのため、イラン国民は怒りに駆られて街頭に繰り出し、学生も参加したデモと民衆運動の一環として、在テヘラン米国大使館占拠に至った」と述べています。

続けてハーメネイー師は「学生諸君んの当初の意図は、アメリカ大使館に2、3日立てこもり、イラン国民の怒りを世界に伝えることだけだった」とし、「しかし、学生らは米国大使館内において、事態の深刻さが想像を絶するものであること、そしてアメリカ大使館がイスラム革命の破壊を目論む陰謀と策略の中心であったことを示す文書を発見した」と指摘しました。

イラン最高指導者:「米国大使館占拠で同国政府の正体が露見」【写真あり】
多数の女子学生も最高指導者との会合に参加

加えてハーメネイー師は、「米国とイラン間の問題の根源が大使館占拠事件にあるとする解釈は正確ではない」との考えを示し、「米国との問題は1979年11月4日ではなく、1953年8月19日に始まった」と語りました。さらに「大使館占拠事件により、わが国に対する陰謀とイスラム革命に対する重大な脅威が発覚し、学生らはこの重要な研究と文書の収集を通じて、その本質の解明に成功した」と語りました。

イラン最高指導者:「米国大使館占拠で同国政府の正体が露見」【写真あり】
イラン全土からの生徒・学生ら数千人がハーメネイー師との面会に臨む

ハーメネイー師はまた、イラン国民に対するアメリカの敵対の原因が「アメリカに死を」というスローガンの連呼にあると考える一般人らの発言を、歴史を真逆に綴るものだとし、「このスローガンは、アメリカがこのように我が国に敵対する理由ではない。アメリカとわが国の問題は、本質的な不一致および、利益が互いに相容れないことである」と付け加えた。

そして最後に「我々はアメリカに屈服しなかったが、彼らとは永遠に関係を持つことはないのか?」という一部の人々の疑問に言及し、「第一に、アメリカの覇権主義的な性質は、屈服以外何も受け入れない。これはすべての歴代アメリカ大統領が口にこそ出さなかったものの望んでいたことだったが、現大統領はそれを口にし、実際にアメリカの内心を露呈させた」と結びました。

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